着物の豆知識

着物の繊維「絹」

着物は「絹」から作られています。

絹は、麻、綿と並ぶ三大天然素材の一つです。

絹は、優雅で美しい独特な光沢を放ち、しなやかで軽くて強く、適度な吸湿性と放湿性があります。

美しさと機能性を兼ね備えた繊維です。

絹の糸の原料は蚕 (かいこ) が作りだす繭 (まゆ) です。 

蚕がサナギになる際に、自分の体を外界から守るためのものです。

養蚕の歴史

養蚕は、紀元前5,000年に中国で始まり世界に広まったと考えられています。

 

日本においては、195年に朝鮮から蚕の卵が伝わったという記録が残されています。

 

弥生時代の遺跡から絹の布が発見され、中国の歴史書にも邪馬台国での養蚕の記録があることから、弥生時代の中頃には、養蚕技術が入ったと考えられています。  

着物の起源

紀元前の弥生時代に、着物の衣服が生まれたとされています。

簡素な作りで下着として着られていました。

 

飛鳥時代、奈良時代には、唐の衣服を模倣したものが主流でした。

平安時代には、華やかな貴族の衣装となりました。

江戸時代に入り帯や着物の形に近くなりました。

着物の格

日本の着物は「格」といわれる等級があります。

 

①「礼装着」最も改まった席で着られる着物。

花嫁が着る「打掛」、葬式できる「喪服」。

 

➁「略礼装着」次に格の高い着物。

成人式の式典で着る「振袖」(袖の長い振袖は未婚女性の正装)。

年齢を問わず着られる「訪問着」(既婚女性は留袖が正装)。

 

➂「外出着」

訪問着より柄が控え目な「付け下げ」、「小紋」。

 

④「街着・普段着」

紬(つむぎ)、絣(かすり)、木綿で出来た着物。 

着物の縁起の良い柄

鶴    長寿と夫婦円満

 

鳳凰   平和と夫婦円満

 

松竹梅  忍耐力や生命の誕生

 

観世水  未来の変化

 

桜    豊かさ物事の始まり

 

牡丹   高貴さや富貴さ美しさ

 

椿    高貴さ神聖さ

 

蝶    女の健やかな成長夫婦円満

 

うさぎ  子孫繁栄